以前は深い軒の家が当たり前のようでしたが最近の家は軒が浅くなっています。そもそも『軒』って何?軒のある家のメリットって?
軒とは一戸建ての住宅の屋根のうち、外壁や窓、玄関などよりも外側に出っ張って突き出している部分のことを言います。
建物よりも突き出ているため、この部分が雨や雪、日差しを遮り、建物を守る傘のような役割があります。
各部の名称
①軒の先端部分を「軒先」
②軒の下部分のバルコニーなどの空間を「軒下」
③軒部分の下の面を「軒天」
と言います。
最近ではシンプルな陸屋根を採用する建物も多く、軒がほとんどないものもめずらしくありません。軒がない分コスト削減やシンプルでモダンなデザインにすることができますが、軒があるかないかで建物の耐久年数に大きく影響する重要な設備です。
軒は機能的にも空間的にも大きな効果をもっています。
軒をつける様々なメリット
①日差しの調整
②外壁保護
③雨除け
④半屋外空間
軒下空間を有効利用しよう!
軒下の空間は、狭くてあまり有効な使い方ができないと感じている方も多いと思います。しかし土地や家族の生活スタイルに合わせ室内との繋がりを工夫したり、あるいは少し大きく軒を伸ばすことで、その半屋外空間を幅広く、色々なかたちで使うことが可能となります。
軒下を有効活用して家の中だけでなく家の外も楽しめる快適な住まいをつくりましょう。
縁側
①家族のみんなが集まるコミュニケーションの場として中間スペース
②光や風を感じる内と外の中間スペースとして活用玄関へのアプローチ
③軒下空間を雨に濡れない玄関アプローチとして活用
「軒は深い方がいい」は間違っている?適切な軒の深さとは?
軒の機能を最大に生かせる深さは90センチ、約半間といわれます。地域の降雨量や建物の高さなどにもよりますが、日照角度を考えると理想的な深さ。それを超えると次のようなデメリットが生じてしまいます。
①耐風性が弱まる…風を逃すことができずダイレクトに受けてしまうため屋根の劣化が心配されます。
②居住面積が狭くなる…軒を深くすると居住スペースは狭くなりデザインのバランスが悪く見えます。
③工事費が高額になる…深ければ深いほど施工費用や材料費がかかるため工事費が高額になります。