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2025/08/25

長年続けてきたからこそ解ること


長年続けてきたからこそ解ること



何十年と家づくりを続けてきたからこそ解ること、お客様とプランをつくり現実に建てていたからこそ気づいた事、ご要望 ご意見を聞き勉強させて頂いたことが多くあります。

何事もそうなんですが家づくりも例外でなく時代によって内容も求められているものが変わってきました、

■建てる年齢が変わった

30年程前は55歳から60歳頃に家を建てることが多かったが今は30歳から35歳辺りが多いように思います。
以前は退職金を使って建築したように思います。
ここまで自分が頑張って仕事をしてきたんだという実績を家というカタチにしたかったかもしれません

現在子育てのための家づくりよりもしかしたら、後継ぎの子どもに残しておこうという思いがお施主様にあったように思います

 

■住宅ローンの金利が違う

以前は住宅ローンの金利が高かったということと民間の金融機関が住宅ローンに力を入れていなかったように感じます。そのため住宅ローンといえば住宅金融公庫というところで借りていましたが、金利も高く全ての工事費用が借りられるわけでなく20%程頭金の用意と長年働いて身元がしっかりしているなどいろいろ条件もあったように覚えています。
その後民間の住宅ローンが出てきて今のように金利も低く長年借りられるローンも出てきて借りられやすくなってきました、頭金をためるには30代では無理があったかもしれません
現在金利は上昇しているようですが固定金利にしても変動金利にしても条件はありますが子育て世代にも借りやすくなりました

 

■真壁和室が求められなくなった

真壁とは柱がすべて見えて壁を塗って仕上げているつくりです。真壁の和室といえば特別な部屋でした、大切なお客様をもてなす場所であったためか節のない太い柱を使って仕上げました、また赤ちゃんのお昼寝、里帰りの子どもの家族が寝泊まりする部屋であり仏壇に床の間に神棚といろいろな使い方がありました、

仮に家が小さくても畳の部屋は作りましたが今はほぼありません。
以前は2階にも畳の部屋がありましたが1階でも無くなり畳も必要であれば残っていくはずですが、ファミリークローゼットなど他の部屋を望むことがあり今ではほぼ畳の部屋は計画されません、

リフォームで畳を撤去してフローリングを張ってほしいという依頼は多くあります。
歳を重ね体の調子が悪くなったのでベッドを置きたいのでということです。もし歳を重ね介護が必要となり自宅に重たい電動ベッドを入れるようでしたら必然と畳は床張りとなります

■断熱と耐震仕様が重要視されてきた

以前の真壁荒壁塗が当たり前のころの家は丸太に太い柱何段も積んだ棟瓦など家づくりには趣を置き、どちらかというと夏を快適に過ごすための仕様になっていたように思います、
夏の高温多湿には荒壁が湿度調整をして気持ちよい住まいに、大きな庇で直射日光を遮り、玄関を入ると冷っとする感覚がありました、南北に窓を設けて間仕切りは襖で壁がなく屋内を抜けていく心地いい風、べたべたしない無垢の床で足触りの心地いい風情があった住まいだったような気がします、
多分今の夏より涼しく猛暑なんて言われる気温ではなかったように思います

現在は家の中にいても熱中症になってしまうほど暑くそのため断熱性能をより高くした仕様になっています
窓を減らして熱を遮り断熱性能上げる、そしてエアコンで快適に暮らす。光熱費を下げて一次エネルギーの消費を抑えています。
窓が減らしたといっても建築基準法により採光を0とするわけにはいかないので基準に収まる小さな窓を取付、居室でないトイレなどは窓が無くなり窓の少ない家が多くなってきたように思います。

また地震に強い家を造るには窓が無いさいころのような家が一番強くバランスが重要です。以前のように南には採光のための大きなサッシを付けて裏には小さな窓しかなく、
総2階はカッコ悪いとされていたため1階を大きく2階が小さい家でした、とてもバランス良いとは言えませんが これが家のカタチでした
今では2階建ては総2階が多く平屋も2階建ても窓が小さく少なくなってこれがスタンダードになっているように思えます。

必然というか補助金を受けるために断熱等級耐震等級を上げていくとこのカタチになっていきます。
断熱UPにしても耐震UPにしても窓は小さく少ないほうが有利です。

 

■補助金が受けられる

補助金が受けられるようになっていますが長期優良住宅、ZEHなど耐震等級も断熱等級補助金を受けるには等級による認定が必要になります。

費用が余分にかかるから補助金が出るということで補助金を使って仕様の良い家を建ててくださいということかと思いますが、
補助金分だけでは補助金対象の仕様にすることは実際費用面で不可能かと思います。 

補助金対象の家を造ると窓の小さい四角い家が効率よいためこのようなカタチになります。太陽光パネルを多く設置しやすい鉄板葺きで勾配が少ない片流れ屋根、

構造に強い耐力壁を多くするため、断熱強化のために窓を極力小さく少なく、軽くするために鉄板張の外壁の外観、
内部は構造計算により壁が増えて思うような空間ができないこともあります。新しく建てる家はこのようなカタチになってきます。

すべてが悪いわけでなく断熱性能があって地震には強い家になりますが、日本の風情は無くなります。子どもと楽しむ下屋のある縁側で花火、そよ風に揺れる風鈴の音、昼寝に漂う新緑の香り 手触り肌触りべたべたしたいやな湿度、五感を意識することが少なくなるような気がします 
そんなことがあり自然素材の家がもてはやされたかも  これらも薄れてたぶんなくなります、もしかしたら要らないかもしれません

■生活様式が変わった

生活の様式がかわったというべきか間取りが変わったので合わせたのか?

以前の家づくりといえば、プラン作成にあたり仏壇の位置を決めてそこから間取りを考えていました、次に玄関の位置を決めて進めていきました応接間という部屋がありました、
自ずと家は大きくなり2階建て40坪以上ありました、本家であろうが新家であろうがこの配置は同じで本家になると和室の二間続きは当たり前となり和室の前には広縁があり60坪になることもよくありました、今では応接間はプランから消えました、
反対に駐車スペースは狭く1台分しかないが庭があり広い敷地はほとんどが庭になっていました、今では考えられないですがこれが一般でした、
様式の違いは、核家族といわれるように同居はほぼしない 仮に同一の敷地に建てる別棟に別居する 同居するとしたら親の介護が必要になったとき戻ってた

大きな違いは駐車スペース3台ほしい最低でも2台それも並列という要望がほとんどです。また一軒当たりの敷地の面積が小さくなったこと。土地の価格が高騰していることもありますが要望は狭くても実現可能であるということです。 
いろいろな理由もあるかと思いますが今は広い敷地でも大きな家を建てることは一般には無くなりました 必要もなくなったかも?

求められなくなった理由として兄弟の数が減ってきた、そのため子供部屋も1室か2室 性別が同じなら1室を間仕切りして2室として利用します。そのため部屋数も2LDKもしくは+S +2Sでも不自由なく暮らせるようです。子どもは大学でアパート暮らしそのまま就職というパターンも多いようで子ども室の細かい部屋は不要となり夫婦2人では将来介護が必要となれば広い部屋が欲しくなります 
耐力壁とか床の仕上げなどにより簡単にはリフォームできないかと思いますが。

理想はライフスタイルに合わせて間仕切りが変えることができれば、自分らしい住まいとなり家も長く快適に使えるでしょう