「家を建てるなら畳の和室は欲しい!」
「ウチでは和室は使わないかな……?」
家づくりを計画するときには「和室」をつくるかどうかでお悩みになるご家庭も多いのではないでしょうか。
畳の敷かれた和室は、靴を脱いで素足で暮らす日本人が慣れ親しんできた伝統です。しかし、生活スタイルの洋風化やインテリアの好み、部屋数の都合などで和室を設けない家も増えています。
「雨楽な家」を建てたお客さまも、伝統的な和室を設ける方の他に、洋室の中に「畳コーナー」を取り入れるなど、ご家族によって様々なスタイルの「畳のある空間づくり」をされています。
い草の香る畳に触れると、どこかホッとします。それは「日本の伝統だから」以外にも、い草が持っている天然の力にも理由があるようです。
ぜひ、畳を生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか
木造軸組・真壁の美しさを純和風に表現できる和室。建具に貼った和紙の色を大胆なカラーにしても、シックに仕上がります。
和室は、お客さまをお通しする客間や、仏間としてはもちろん、お子さんが小さいうちは、段差ができないように布団を敷いて親子が川の字で寝られる寝室としてもよく使われています。
2階の階段横のホールに縁のない畳を敷いて、周囲を板張りにした畳コーナー。気兼ねなくごろ寝をしたり趣味を楽しめる自由な空間です。
建具のない開かれたスペースですが、畳部分の下に深さ25cm程の収納があるので、ここで使う座布団や小物などもしまって置けます。
スマートな正方形の縁なし畳は、配置する際に畳の目の方向を変えると、光の具合で上品な市松模様を表現することもできます
家族が集まるリビングに畳を取り入れました。畳がもっている弾力性と吸音性で元気に遊ぶお子さんをやさしく包みます。
縁なし畳を、無垢の木の床と境なく敷いているので引っかかりがなく、お子さんが走り回ったり、お昼寝をするのにも最適。家族みんなが集まるリラックススペースです。
洋室の中に和モダンな茶の間をつくる、小上がりの「畳ボックス」。畳の下を収納にしたり、段差で足を伸ばして座れるカウンターデスクも造れます。
部屋に立体感が生まれ収納力もアップ。この間取りであれば、キッチンで料理中も遊んでいるお子さんと目線が合わせられます。
高さがあるので、掘りごたつ風にするなど可変性を楽しめます。
畳表の素材である「い草」は、冬に水田に苗を植え、7月頃収穫されます。
刈り取った茎をそのまま干すと褐色になり品質が落ちるので、染土(せんど)という土を溶かした泥水の中にい草を漬けて、その後に乾燥させます。こうすることで、い草の青さと香りの良さが長持ちするのだそうです。
い草の表面は硬い皮ですが、中身はスポンジのようにフカフカしていて多数の穴があります。
そのため調湿力が高く、不快な湿気を吸い取り、室内が乾燥すれば水分を放出します。断熱性が高いので、冬は温もりを、夏はひんやり感を与えてくれます。
この他にも、有害な空気中の二酸化窒素やホルムアルデヒドなどを浄化したり、い草の香りに含まれる「フィトンチッド」や「バリニン」といった成分には鎮静効果もあります。
畳を敷いた教室で児童に算数の計算をさせたところ、正解数がアップしたといった調査結果も出ていて、い草には集中力を高める効果も見られるそうです。
他にも抗菌性の高さや弾力性など、魅力いっぱいの天然素材です。
その際にはダニの減少、防止のためにじっくりかけることが大切です。
表面のワックスの役割を持つ白土が落ちてしまいますので、固く絞った雑巾かカラ拭きをしてください。
天日干しにする際は、畳表が日光にあたらないように、裏側(畳床)を表にしてください。
晴れた日のコンクリート面等に畳の裏側を上にして干すと、畳の中心温度が高くなりダニ対策に効果的です。湿気の多い土や草のある場所で行うのは避けてください。
畳を浮かせたすき間に空き瓶などをはさみ、裏面にしばらく風を通すだけでも湿気対策等に効果があります。
急な来客の際には障子を閉めて、リビングなどの生活空間を隠しながら、お客さまを土間からそのままお通しできる便利な客間にもなります。和の伝統や上品さも醸し出せる「広い土間」と「和室」の組み合わせは、家の顔としてもオススメです。