木材が私たちに与える効果

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木材が私たちに与える効果

雨楽な家 北名古屋モデルハウス

木のぬくもりや優しい香りを感じられる「木造住宅」は、ほっと一息つけるような、居心地の良い空間を作ってくれます。木造と言っても、使用できる木材の種類は多く、それぞれに特徴が異なります。
これから木造の家を建てたいと考えている方も、まずは、木材にはどのような効果があるのか、その優れた性質を知ることからはじめてみましょう。

1.木材の種類とそれぞれの特徴

木の家づくりを考える際には木目の美しさやコストはもちろん重要です。しかし、木の特性を知り、住まいの数十年後の姿を想像することも大切です。四季がある日本の気候には、日本の風土で育った国産の桧・杉・欅が適した材料であることは誰もが認めています。
高温多湿の日本では住宅の耐久性が問われますが、国産の木材を使って大切に住むことでより快適に、住まいを長持ちさせることができます。

無垢の桧 ヒノキ
桧 – ヒノキ

ヒノキに含まれる木の香りは脳の活動と自律神経活動を鎮静化し、リラックス効果や、血圧低下や脈拍の乱れの減少、快眠など数多くの効果をもたらします。

無垢の杉 スギ
杉 – スギ

スギの葉油の成分には頭をスッキリさせる効果、材油の成分にはリラックス効果があり、吸い込むことで脈拍が下がり、睡眠時と同様の脳波になるといわれています。

無垢の欅 ケヤキ
欅 – ケヤキ

ケヤキは弾力と重さがあり音を反射しやすく、強度と耐久性に優れており、加工しやすい木材。木目が美しく、使用年数が重なる程、質の良い色つやが出てきます。


2.木がもたらす効果とは?

私たちの気分を落ち着かせてくれる「無垢の木のいい香り」には、他にも良い効果があることが分かっています。

■木の香りでダニ防除

家の中に生息する「ヤケヒョウヒダニ」などのチリダニ類、および、そのフンや死骸はアトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー性疾患を引き起こすことが知られています。
木材には数パーセントの精油が含まれており、この物質が木材の樹種に固有の香りを与えています。この木材の香り物質に、ダニの行動や繁殖の抑制効果があるとしています。

国立研究開発法人である森林総合研究所で、畳の中にヒバやヒノキの薄板を挿入し、ヤケヒョウヒダニを封じ込めた容器を設置する実験が行われました。すると、ダニは板に直接触れることなく、香り物質の影響から80%以上の行動抑制効果が認められました。そして、その抑制効果が半年から1年程持続されるという結果も見られています。

木材によるダニの行動抑制効果の実験の様子 資料 森林総合研究所

(資料)森林総合研究所

木材によるダニの行動抑制効果の実験結果 資料 森林総合研究所

3.住宅以外にも木を取り入れる

雨楽な家 ロフトの実例

■木の老人ホーム

ある特別養護老人ホームで、ケガや心身の不調について調べられた資料があります。
それによると、施設に木材が多く使われている場合の方が、インフルエンザにかかったり、転んで骨折をしたり、不眠を訴えるなどの心身の不調をうったえる入居者の割合が少ないことが分かりました。

特別養護老人ホームにおける木材使用の施設、少ない施設での入居者の心身不調の調査

(資料)岡山県木材組合連合会HP

木の家に住むと寿命が長い
25日後のマウスの生存率

マウスを木・鉄・コンクリートの3種類のケージの中でそれぞれ飼育し、肉体的、精神的にどう変化するのか実験を行なったところ、木製のケージが85%と最も生存率が高く、マウスが成長する度合いも高いという結果がでました。

木製・金属製・コンクリート製のケージでの25日後のマウスの生存率グラフ

(資料)静岡大学農学部

こうした調査・実験の結果や、木材の精油がもつ強い殺菌作用から、病原菌などをよせつけない素材ということで建物の内装に木を多く使用する病院も増えているそうです。

■木の学校

木造校舎は学級閉鎖が少ない

木造校舎と鉄筋コンクリート造の校舎の大きな違いは、教室の中の温度と湿度の環境をコントロールする能力です。建築後10年以上の木造校舎と鉄筋コンクリート造の校舎で、過去3年間の「インフルエンザによる学級閉鎖」を集計したしたところ、木造校舎は鉄筋コンクリート造の校舎の2分の1以下になったことからもその能力の違いがよく分かります。

木造校舎と鉄筋コンクリート造校舎を比較したインフルエンザによる学級閉鎖の集計
建築後10年以上の木造校舎と鉄筋コンクリート造の校舎で過去3年間のインフルエンザに よる学級閉鎖の集計

(資料)日本住宅・木材技術センター

2つの教室で冬場に足元付近の温度と湿度を測定すると、鉄筋コンクリート造の校舎は温度が低く湿度が高いため、実際の温度よりも体感温度が低く感じられます。一方、木造校舎は足元付近の温度が比較的高く、湿度も大体50%ぐらいで安定している傾向にあります。
また、小学校で木の机と椅子を導入したところ、物事に熱心になった、集中力があり気が散らない、間違いが少ないなど、子どもたちにいい傾向が多く見られるようになりました。

木の学校 子どもたちの傾向

やっぱり木の家で暮らしたい

木に触れていると感じるやさしい手触りや良い香り、それらには確かな効果が実証されているのです。

小さな子どもは、無垢の桧の床を素足で歩いたりハイハイすると気持ちよく感じ、皮膚感覚を鍛え運動能力も高められます。そして、畳、床板、障子紙など本物のテクスチャーに触れる、自然素材に囲まれた暮らしは知らず知らずのうちに子どもの感性を伸ばします。
住まいは子どもたちを育み、心と身体を休める場所ですから、健やかに暮らせる木の家がやはり理想的なのではないでしょうか。

無垢の桧の床に寝転がる赤ちゃん 雨楽な家