伝統の和紙でくらしを快適に彩る

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伝統の和紙でくらしを快適に彩る

雨楽な家の土間には和紙貼りの建具がよく似合います

職人の技と自然素材でつくられ、高い機能性とデザイン性をあわせ持つ「和紙」。
2014年には、「和紙・日本の手すき和紙技術」がユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
伝統の手すきの技でつくられる和紙は機能性が高く、素朴な風合いと美しい色や柄も魅力的です。
和紙は壁や天井に貼るだけではなく、建具や障子、照明器具のかさなどにも用いられ、
モダンなインテリアや空間にもさり気なく馴染んでくれます。
日本の伝統である魅力的な「和紙」を改めてくらしの中に取り入れてみませんか?

1.手すき和紙の原料・作り方

「和紙は植物の表皮のすぐ内側にある柔らかい内皮である勒皮繊維(じんぴせんい)が主原料です。昔からの代表的な原料はコウゾ・ミツマタ・ガンビがあり、現在は用途に応じて麻、わら、桑、竹、木材パルプ、ケナフなども用いられます。
伝統的な「手すき和紙」の作り方は、まず原料になるコウゾを蒸して表皮や黒皮を剥ぎ、「白皮(しろかわ)」という状態にして乾燥、保存します。

コウゾの白皮

コウゾの白皮

紙すきの様子

紙すきの様子

保存していた白皮を水につけて戻し、熱湯で煮て、白い紙にするために漂白します。そこから皮のキズや細かいゴミを丹念に取り除き、叩き砕いて細かい繊維にします。
繊維になったコウゾとトロロアオイの根などから採取する粘液である「ネリ」、水を「すき舟」に入れてよく混ぜ、「かせ」を動かして紙をすきます。和紙を重ねてしっかりと水分をしぼり、板などに貼り付けて乾燥させて、「手すき和紙」が完成します。
現在は伝統の手すき和紙と併せて、機械すきの和紙も多く製造され、光触媒などの機能性が付与されたものも見られます。


2.和紙の強さと優れた機能

正倉院に千年以上も昔の本が保存されていることからも和紙の強さは立証済みで、凹凸のある繊維の風合いは和紙ならではの魅力です。
その和紙の無作為に並んだ繊維は水分の吸放湿性が高く、繊維の隙間の空気層による保温力を持っています。そして、光を通す際に乱反射を起こし紫外線や赤外線をカットすることで柔らかな光に変えてくれる優れた調光力や、音をやわらかく分散させる吸音力も持っています。和紙には、温もりのある美しさや強さのほかにも、ビニールクロスにはない優れた天然の機能があるのです。

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3.和紙を取り入れた室内空間

「雨楽な家」では伝統色の和紙を天井や建具に取り入れ住空間を彩っています。色鮮やかな和紙をわが家の
テーマカラーとして建具などに取り入れることで、インテリアに統一感が生まれ、より洗練された空間になります。

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無垢の木の色とも馴染み、室内に彩りを加える絶妙な朱色の建具
建具使用/越前和紙 銀河 No.2119 鷹印鳥の子(朱うるみ)

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落ち着いた色の建具と柔らかな質感の天井
建具使用/越前和紙 銀河
No.2140 鷹印鳥の子(銀鼠)・2141(鼠)
天井使用/土佐和紙壁紙「熊笹入り」

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印象を引き締めながらも重くならない墨色の建具
建具使用/越前和紙 銀河 No.2182 耐光紙(墨色)

4.「和紙貼り」の気になるQ&A

Q.施工はむずかしいの?

A. 基本的には、「和紙壁紙」でもビニールクロスを貼る場合と同じです。ですが、後にリフォームをする場合も上から重ね貼りできるので、一度剥がす必要がなく工程が短縮でき、和紙が厚くなる分調湿効果や保温効果などがより発揮されます。「雨楽な家」で建具に和紙を貼る際は、角の摩擦や日常の扉の開け閉めなどで劣化しないように、木で化粧縁を付けた「大手貼り」を主に採用しています。

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大手貼りの建具

Q.お手入れや掃除は大変?

A. 汚れを取る際には、水・中性洗剤で濡らした布で叩くように汚れを浮かして、少し時間を置いて乾いた布で拭き取ります。強い汚れや破れなどのキズの修復が難しいものについては「ちぎり絵」のように同質の和紙を上から貼るか、半間分上から重ね貼りします。ビニールクロスと比べると少し手間はかかりますが、修復で重ね貼りをする際に「細工貼り」にしてみたり、子育て期間が終わった後に色を変えて新品にするというのも、部屋の印象を変えることが出来て、また違ったくらしを楽しめます。

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細工貼りの一種

Q.水や油は大丈夫??

A. 汚れを取る際には、水・中性洗剤で濡らした布で叩くように汚れを浮かして、少し時間を置いて乾いた布で拭き取ります。強い汚れや破れなどのキズの修復が難しいものについては「ちぎり絵」のように同質の和紙を上から貼るか、半間分上から重ね貼りします。ビニールクロスと比べると少し手間はかかりますが、修復で重ね貼りをする際に「細工貼り」にしてみたり、子育て期間が終わった後に色を変えて新品にするというのも、部屋の印象を変えることが出来て、また違ったくらしを楽しめます。

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和紙は無垢の木や漆喰と同じように呼吸し、年月と共に味わいを深めていきます。
くらしの中で人の手が触れ、馴染むことで色や手触りがやわらかく変化していく和紙を楽しんでみてください。