暮らしをつくる階段

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暮らしをつくる階段

家の間取りに大きく関わる階段の位置と形 2階建以上の家には必ず必要な階段。 その役割はただ1階と2階を繋ぐだけではありません。 その種類や設置場所が、家の間取りづくりにも大きな影響を与えます。 例えば、玄関と階段を廊下で繋げるスタンダードなものと、現在は主流のひとつにもなってきたリビング階段。 この2つでも生活スタイルには大きな差が出ます。 今回のコラムでは、そんな階段について「雨楽な家」の 実例を交えてご紹介します。

階段で子供が遊ぶ写真

1.階段の部位の名称

家づくりの計画では参考画像を元に進める方も多いと思いますが、階段の部位の名称を知っていると、 好みのデザインを見つけやすくなります。 例えば、開放的なデザインが人気の「スケルトン階段」は「蹴込み板」がなく、「段板」と「側桁」もしくは 「ささら桁」で構成された階段。「ストリップ階段」とか「シースルー階段」と呼ばれることもあります。 工務店さんと話す際にも、「ささら桁」の色は黒にしたい、「段板」の木材は桧にしたい、という風に 細やかな要望もスムーズに伝わります。

階段で子供が遊ぶ写真

2.階段の基本形「直階段」と「折り返し階段」

階段の種類には「かね折れ階段」「らせん階段」など様々なものがありますが、 基本になるのは「直階段」と「折り返し階段」の2種類です。


●直階段(ちょくかいだん) 一直線に上り下りする階段です。 占有面積が少なく、階段下を収納スペースなどにも 活用できます。階段スペースが少ないと勾配が急に なる場合がある為注意が必要です。スケルトン階段に すると光や風をよく通し、開放的な印象になるので リビング階段によく用いられています。

階段のあるリビング写真

●折り返し階段 途中に踊り場を設け、折り返す階段です。 踊り場が階段から落下する危険性を軽減してくれます。段数が増えるため、勾配も緩やかになりますが、直階段と 比べるとスペースが必要になります。蹴込み板を付ける「箱型階段」にして、階段下のスペースを収納などに活用するパターンもよく見られます。

折返し階段写真

3.空間のアクセントになる階段

●らせん階段

省スペースで、空間のアクセントにもなるらせん階段。踏み面が全て三角形に近い形状のため上り下りには注意が必要です。動線が直線ではないため、大型の家具などの搬入が難しいことがあります。

●収納階段

階段自体に収納力を持たせてインテリアの一部として活用します。ロフトとの上り下りにも使いやすいデザインで、縦に長い部屋の中央に置いて間仕切りのように使うのも効果的です。

螺旋階段写真
収納階段写真

4.階段の配置や周辺はどうする?

階段の位置や周辺に何を配置するかで階段下のスペースをより活用できたり、 階段に間仕切りの役割を持たせることもできます。


●家の中央・横向きに配置

中央に置いた階段を最大限に活用

写真の実例ではリビングとダイニングの間に階段を配置。
2階へ上がるときにはリビングを通り、ダイニングやキッチンからも見える動線ができます。
そして、中央に階段を配置することで適度な間仕切りができ、玄関からキッチンが丸見えにならない利点もあります。

階段とリビング写真

●家の中央から・壁沿いに階段を配置

階段下にできる空間はトイレに活用

写真の実例では、階段下の空間をトイレに活用しています。
合わせて階段の上り口を玄関から逆の位置に設けることで、
玄関の正面は壁面となり、スッキリとした印象に。
2階のプライバシーも守られやすくなります。

リビングから階段への写真

●土間からすぐ・横向きに階段を配置

プライバシーを守りながら存在を感じられる工夫を

玄関土間からのびる直階段。土間とリビングの間仕切りにはポリカーボネートを採用し適度に透過しています。扉を閉めても窓からの光で空間が明るくなり、土間から2階への上り下りを、LDKから確認もできて安心です。

リビングから階段への写真

リビングから階段への写真

和の趣を感じられる小さな庭を楽しむ

階段下には玉砂利を敷いて坪庭を設けています。
広い土間のちょっとしたアクセントになり、お店のような上品な雰囲気をつくることができます。土間にあるので植物への水やりも気を使わず、しっかりと陽を当てたり、植え替えの為に外へ出したりも比較的ラクに行えます。
季節の植物や背の高い観葉植物を楽しむのにも良いスペースです。

階段下砂利の坪庭

今回ご紹介した実例に、ご家族の理想的な暮らし方に合う階段は見つかったでしょうか。

階段をインテリアのひとつとしてデザインにこだわりたい、家族のコミュニケーションを
活発にしたい、生活空間にメリハリを出したい、家事動線をスムーズにしたいなど、
家づくりで叶えたいのはどんな暮らしかを意識してみると、適した階段の形状も見えてきます。

家づくりの際には、ぜひ階段についても注目して計画してみてください。