北名古屋市に建つ「雨楽な家」のモデルハウスが築14年を迎えました。
国産材と自然素材にこだわり、職人の手仕事で建てられたこの家は古さを感じさせることなく経年美化を楽しむことができます。
桧・杉・漆喰・和紙・石など、土に還る自然素材で建てた真壁造りの「雨楽な家」の現在の佇まいと、これまでに施した主なメンテナンスについてご紹介します。
濃紺と白のメリハリのきいた外壁カラーに、軽やかな和瓦の切妻屋根がマッチしています。
二階建ての玄関を入ると四畳半サイズの土間。土間の豆砂利が和モダンの風情を漂わせ、正面の和室と七寸角の桧の大黒柱が存在感を示しています。
無垢の桧の床板が広がるLDK。ダイニングの上部には吹き抜けがあり、杉の梁越しに二階の天井まで見渡せる伸びやかな空間です。
柱は桧材、梁や桁は杉材。天井や軒裏、テレビ台の壁面などにも杉を使用しています。壁には漆喰を用いて、建具には和紙を貼りました。
二階は間仕切りを最小限にした開放的な空間。子ども室はライフステージに合わせて無垢杉の収納家具で間仕切ることができます。勾配天井を活かしたロフトも設けられています。
平家側は県道からもよく目立つ和瓦の屋根の伸びやかなラインと間口の長さが特徴的。向かって右からガレージ、通り土間、そして打ち合わせルームになっています。
日本建築ならではの深い軒下とウッドデッキ、平家ならではの杉の桁と垂木の構造美を間近で味わえます。
打ち合わせ室の中央には堀座卓を設置。足を伸ばしてラクに座りながら、工務店さんやお客さまとの打ち合わせができます。
街新築時と築後13年が経過した際に、同じ角度からモデルハウスと事務所棟を撮影しました。木の色や艶などの変化をご覧ください。
桧の無垢材が経年変化でつややかな飴色になり、 深みや味わいが増しています。
美しく古美た桧の大黒柱、畳と和紙は風格ある色に変化しました。
床に色と艶が増したのがよく分かります。13年を経過しても木の香りに包まれています。
変わらない佇まいの外観。 「いぶし瓦」の屋根が渋みを増しています。
新築からこれまでに施した、無垢の木の床や漆喰などのメンテナンスについてご紹介します。
■無垢の桧の床と柱桧の床の掃除は、普段は掃除機や紙モップで簡単に済ませて
います。黒ずみは水を軽く含ませたメラミンスポンジでこすって落としました。
年に1〜2度、米ぬか油が原料の「キヌカ」やえごま油が原料の「匠の塗油」といった自然塗料を使って布で磨いています。
無垢の柱は静電気を発生させずほこりがつきにくいので、からぶき程度のお掃除で十分です。
ウッドデッキや木塀には防腐剤の入った塗料を塗りました。劣化のスピードがゆるやかになり長持ちします。
水まわりの無垢材についた汚れや水染みは気になった時にその都度お掃除するのがおすすめです。
固く絞った布で水拭きをします。それでも取れない場合は、サンドペーパーをかけて削り落とし、「匠の塗油」を塗って仕上げました。
漆喰の黒ずみ汚れは消しゴムでこすって落とし、ひび割れには白チョークを塗り込みました。
■無垢材の家具
汚れが目立ってきた無垢材の家具にも、メラミンスポンジを使用。スポンジに水を含ませて汚れをこすり落とします。写真の左側がお手入れ前、右側がお手入れ後です。
美しい白木の色が現れています。最後は乾燥しないように「キヌカ」を塗って仕上げています。
新築の無垢の木の家は、さらりとした手触りの無垢の桧の床や、白い漆喰壁が輝くように美しく、実際に触れると感動するとともに、「こんな状態をいつまで保てるだろうか」と不安になる方もいらっしゃるのではないかと思います。
確かに無垢の桧の床は柔らかく、普通に生活するうちにキズやシミがつきます。ですが、それは悲しいことばかりではありません。少し手をかけることで愛着も湧き、木の艶や色味を増して、それがその住まいならではの味わいに変わっていきます。手間のかかるメンテナンスもご家族の思い出のひとつになっていきます。
いつまでも変わらないメンテナンスフリーの住まいにも惹かれますが、住まいの変化を「経年美化」として楽しみ、手間をかけて「住まいを育てる」暮らしもまた魅力的だと考えます。
※今回ご紹介した「雨楽な家」北名古屋モデルハウスは、2024年3月31日をもって公開を終了します。
見学をご希望の方はぜひ、お電話・メール等でお申し込みください。
新しい「雨楽な家」のモデルハウスは、2024年8月に愛知県豊田市御幸本町にオープンする予定です。